出力装置鮭

観たもの読んだものの感想しかない

2020-01-01から1年間の記事一覧

車は走る、どこまでも

それは、夕暮れの山道。 深緑と黒とが、次々と眼前に迫っては遠ざかっていく。 そんな景色を視界に留めながら、「ループって怖いよね」、なんて思う。 「ループって怖いよね?」 この幽かな恐怖心を自分ひとりで抱えたくないがために、横で運転する友人に訊…

ホラゲー讃歌・草稿

どうして感想文置き場を設置したかって、こういう昂って語りたいときのためだった。思い出した。いつかちゃんとした形で書きたいけど今日は取り急ぎ。ホラー映画、ホラー小説、ホラー漫画、ホラーゲーム、どの媒体のホラーも好きだ。ゾッとするあの感じが堪…

架空感想文 最終回『僕は物語が嫌いだ』

『僕は物語が嫌いだ』(北大宮 愛莉 著) 10回、この企画を書いてきて分かったことは、私は人の喋り声をBGMに出来ないということだ。 耳は弱いが、それでも人の話には耳を傾けてしまう。 そういうことで、今もBGMは音楽を流している。 歌になると歌詞がまった…

架空感想文 9冊目『101本のモナリザアネモネ』

『101本のモナリザアネモネ』(トム・オーカー 著) 人生で一番最初にひとりで読んだ本は、遠山 繁年が絵を描いた絵本『蜘蛛の糸』であった。 グロテスクな地獄と美しい極楽の対比が印象的だ。 これの影響でしばらくの間、蓮は極楽に咲く想像上の花だと思って…

架空感想文 8冊目『ランゲルハンス島に行ってみた』

『ランゲルハンス島に行ってみた』(たまごプープ 著) 人間関係を計る基準として、「沈黙に耐えられるかどうか」は広く知られた判断材料である。 私自身は沈黙が苦手なので、沈黙に耐えられるようになれば仲の良い友人になったと、勝手に思っている。 どれく…

架空感想文 7冊目『人生は畢竟死への道標』

『人生は畢竟死への道標』(嶽岡 夜途 著) 後悔の少ない私の人生でも、後悔がないわけではない。 最も大きな後悔は、高校生になるまで詩を軽視していたことだ。 授業で習う詩は、修辞法と作者と読解ポイントだけ理解しておけばテスト勉強の必要性は皆無だ。い…

架空感想文 6冊目『明日の天気を教えてください』

『明日の天気を教えてください』(前島 さとる 著) いま何時ですか? そう訊かれたとき、あなたは時刻をどうやって確認するだろうか。 おそらく、ほとんどの人が携帯やPCの時計・腕時計・部屋の時計のいずれかで確認するだろう。 しかし、実はそれ以外にも時…

架空感想文 5冊目『朝日に照らされた1足のスニーカーへ、私より』

『朝日に照らされた1足のスニーカーへ、私より』(ニナ・サンザ 著) タイトル付けは難しい。 『赤光』や『檸檬』のような熟語タイトルは格好いいけど読みにくそうで、昨今のライトノベルのような説明的長文タイトルはある種のとっつきにくさがある。 だが、…

架空感想文 4冊目『医学の落とし穴』

『医学の落とし穴』(佐々木 伸弥 著) つい先日、こと座流星群が夜空を駆け巡ったらしい。 そういえば、ここ最近「あつまれ どうぶつの森」でフーコにやたらと遭遇していた気もする。 偶然だと思っていたが、もしやこの天体ショーをわざわざこんな離島まで見…

架空感想文 3冊目『ネモフィラの咲く頃』

『ネモフィラの咲く頃』(梶本 三治 著) 人生の最期に添える花は何が良いだろう。 私の一番好きな花は向日葵で、特別な花はカラーだ。 どちらも春夏の花だからか、見ているだけで明るい気持ちになる。 いざ考えると迷ってしまうが、私は最期には向日葵を選び…

架空感想文 2冊目『マリちゃんはプリンを食べない』

『マリちゃんはプリンを食べない』(内田 麻里子 著) 小学校の同級生に、少し不思議な変わった子がいた。 あまり関わりはなかったが、野草観察の時間にタンポポの束を私のところに持ってきて、「春って、広がれば広がるほどやわらかいんだね」とそのタンポポ…

架空感想文 1冊目『足の裏が伸びない』

Q:架空感想文とは? A:架空の本のタイトルをもらい、勝手に内容を想像しながら感想文を書く遊びである。 ※書名・作者名・内容、挙句の果てに今回は感想文の書き手もすべて妄想です 『足の裏が伸びない』(苗田ハイチ 著) 少し前に自宅でペペロンチーノを作…

漂泊の思い、未だ止まず

コロナのせいでいつもにも増して生ぬるい生活を送っている。今夜中にESを書かなくてはいけないのだが、まったく気が乗らないのでこうして文字を打っている。観劇予定もすっかりなくなり、最近観た映画も私的に微妙で、とりあえず閑話休題。リハビリとして好…

悪夢のメタ構造

※映画『パラサイト 半地下の家族』のネタバレを含みます。 今日は素足でバッタを踏む夢をみた。 バッタといっても羽が大きくて、全長2cmくらいの羽虫のような形だった。何故それをバッタだと認識したのかは分からない。 私はなんとしても避けたかったのだが…

喉から白に侵される

※映画『ミッドサマー』のネタバレを含みます。寒い。ここ最近暖かいと思っていたら突然の冬再来である。加えてウイルスパニックとか勘弁してほしい。企業から説明会中止の連絡が来るし、もう就活どころではない。控えめに言ってクソである。こんなときは、全…

でも実はちょっと観たい

かわいい。うちの猫だ。猫はいい。犬もいいけど猫もいい。何せかわいい。撫でると噛まれ、抱き上げると暴れ、呼んでもそっぽを向いているがそこがいい。私は簡単に靡かないものが好きだ。今も1mほど離れたところで寝ている。近いのに遠いこの距離よ。かわい…

復讐鬼は羽化する夢を見るか

※『マスカレード・ホテル』のネタバレを含むと思います。※セリフ部分は曖昧です。フィーリングで感じて。2連続で宝塚の話はバランス悪いなぁと思ってたんですけど、ちょっとこれは書きつけなきゃいけないなと思ったので今回も宝塚の話です。今回は花組の『マ…

2020宝塚初め

遅筆すぎてもう2月になりそう。新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします。今年の目標は「言語化・軽量化・行くところに行く」です。言語化はまぁこの通り。エモいの海での水質調査みたいな、感情の内訳を詳細に書き記そうキャン…