出力装置鮭

観たもの読んだものの感想しかない

2020宝塚初め


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遅筆すぎてもう2月になりそう。

新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします。


今年の目標は「言語化・軽量化・行くところに行く」です。

言語化はまぁこの通り。エモいの海での水質調査みたいな、感情の内訳を詳細に書き記そうキャンペーン。

軽量化は荷物を軽くする。あと思考をシンプルにして、考え方の幅を広げたい。

行くところに行く、は説明の必要なし。面倒がらずに医者に行く、旅行に行く、お金の許す限り遠くへ行ってみたいね。



さて。新年一発目に何を書くかと申しますと、宝塚宙組の『El Japon-イスパニアのサムライ- / アクアヴィーテ!!〜生命の水〜』について書き付けようと思うところです。


2019年12月くらいに事件は起こった。

姉がLINEで「宙組の席取れた!やばい!前から5列目!」と送ってきた。

姉のチケ運は正味かなり良い。5列目というと、銀橋(舞台の前に架かっている橋。主に上級生や人気スターが渡れる。客席の目の前)の人とばっちり目が合うレベル。

中高の芸術鑑賞でもそんな最高の席はなかった。

困ったことになったぞ、と私。



ここからはしょうもない自分語りなので読み飛ばしてもらって構わない。


どうも私は熱烈な恋(広義)がこの上ないストレスになる、らしい。


確信したのは去る2019年11月17日、あきらさん(花組2番手 瀬戸かずや)の個人トークショーに誘われたので軽い気持ちで参加したときである。

誘ってくれたのがあきらさんガチ勢の子だったため、席が、前ブロックの、最後列通路側とかいう、え?絶対これ横通るやつじゃん謀られた…今日が命日ですさようなら私は砂…みたいな席だった。その節はありがとう。

会場が暗くなり、入場されますとアナウンスがかかる。私の席はちょうど入口がばっちり見える席だったのであきらさんの足が!!!見える!!!足しか見えないけど既にカッコいい!!!爪先が綺麗に45°開いてる正に黄金比……爪先がミロのヴィーナス……Amen.


そして、この時点で早くも胃がキリキリと痛んできた。

何も始まってないけどもう勘弁してほしい。

仕切りがバッと開いたとき、瞬間で、あっ無理だ。と悟った。

大股で爽やかに歩いてくるあきらさんから全力で目だけを逸らしつつ、助けてくれ……とまた全力で何かに祈っていた。


それから2時間ほど?のトークショーの間、ずっっっと胃がキリキリしていた。すごく近い場所で和やかに、こちらの反応を見ながらお話しされていて、とても良い人だった。でも私の胃は痛かった。


私は好きだけど相手に認知はされたくない。何度でも初めましてと言ってほしい。私は追うけど絶対に1mmも捕まらないでほしい。そんな慈愛に満ちた話し方をしないでくれ〜〜〜〜〜!!!!!

高嶺の花が好きなくせに、私の存在を認識された時点で私の中で高嶺の花ではなくなるバグ。我ながら感情拗らせてて可哀想……。幸せの均衡点見つけていこうな…。


トークショー自体はものすごく楽しかったのでまた機会があったら行きたい。あきらさんは本当に穏やかでいい人でした。

そして6月に本命ご贔屓様のトークショーがあるんだけど大丈夫か私……次は胃が爆発するのでは。

そのときはまたここでご報告しますね。



と、まぁこんな感じで、読み飛ばした人のためにまとめると、感情拗らせすぎてて高嶺の花に認知されると胃が爆散するバグがある、という話です。


それを踏まえると宙組の座席がいかに胃に悪いかお分かりだろうと存じる。

座席が判明してからは、ドキドキしながら執行の時をまな板の魚のように待った。



2020年1月5日 寒かった。

あろうことか座席は通路側からの3席で、私は真ん中に座った。(姉が通路側席 母が一番奥)

こんな前でオペラグラスは逆に失礼?などと話している内に幕が上がった。


イスパニアのサムライは色々な意味で難しかった。話も人物背景も理解できるのだが、まとめて一言で評価し難い。

真風さん(宙組トップスター)の顔が綺麗なことと、キキちゃん(宙組2番手 芹香斗亜 私の推し)が世界で一番カッコいいキャベツだったことと、ずんちゃん(宙組3番手 桜木みなと)の歌が爆裂上手いことはよく分かった。


なんか、寿司を食べたらサクサクしたみたいな舞台…美味しいんだけど思ってたのとは違うな、という感じ。

大野さん演出の舞台は難しいです。


よく出てくる道化師が、ベラスケスの『ラスメニーナス』の端に描かれている宮中道化師だと気づいたときは良いアハ体験だった。

まぁ後でちゃんと見たらきちんとパンフレットで説明されてたけどね。宮中道化師。



まぁよい。

私はアクアヴィーテを語りたいのだ!!!

演出はオタクの味方、藤井さん。キラキラで楽しい舞台に定評がある、気がする。


宝塚はお芝居のあとにレビューと呼ばれるショーを行うことがよくある。

今回のレビューはウイスキーをモチーフにしている。また、客席降りもあるらしい。

さあ、激烈トリップの始まりである。


まず衣装が良い。有村淳さん(衣装さん)天才。誇張じゃなく本当に天才。

鮮やかでモリモリの、それでいて品があり、統一感を失わないあ〜〜〜〜〜天才〜〜〜!

スチームパンク系の帽子にヒョウ柄の毛皮を合わせるか!!重そう〜〜〜良い〜〜〜!

ハラハラするくらい短いタイトスカートの後ろにフリフリのドレスみたいな装飾付けるのほんと目に良い。有村さんの衣装はビタミンAに匹敵する。

姉は蛇みたいで嫌って言ってたけど、肩の白地にパイソン?柄のグラデーションつけた衣装、私は好きなんだな〜〜〜!!!一筋縄じゃいかないぜ!みたいな感じがして。


そういえばこの間、姉からピューロランドのショーの写真が送られてきたのだけれども、衣装担当が有村さんだったらしい。流石に手が広くていらっしゃる。



レビューの内容の話をば。


キキちゃんが赤い衣装で獣のダンスを踊るのがもう……銀橋に来た瞬間 死を覚悟した。最前列中央の人に何かファンサしててこわかった。幸い(?)キキちゃんはまったくこちらを見なかったので私は生還できたのだった。


獣になった芹香が見たい、とは藤井大先生の談。それな、とは私の談。

真っ赤な衣装で不敵な笑みを浮かべてスタイリッシュに踊る、あの獣の色気はなんだろう。気高さ?無敵感?確かに狼とか色気あるものね。

肉々しさではない、筋の強さが纏う余裕のような、ああ筆舌し難い。甘くない、大人の質感を味わう一幕だった。


もう記憶が飛び飛びで、頑張って思い出しながら書くね…。


はい来ました禁酒法!!!オタクが大好きな時代ですね!マフィア!ギャング!アメリカンドリーム!!!


真風さんほんと紫似合うな……。

こんな複数人にボコボコにされてもカッコいい人間ほかに存在する???やられ姿がまた良い。

でもここはね、秋音光くん(宙組男役)が悪い女で良いんだよねえ…。男を引っ掛けてポイ、美人局?違うわ、貴方の値打ちが低かったのよ、てな感じの。

セリフはないけど絶対悪い女だあれは。私は良かろうが悪かろうが気高い人間が好きだ。傲慢な人間も似たような理由で嫌いじゃない。いやあ、悪い女はショーになるって分かってるね!これお酒のショーだからね!!色香に酔うってやつですね!!


あとは、真風さんとキキちゃんとずんちゃんがランダムにお客さんを選んで語りかける場面があったのだけれど、これが……これが…何?分からない……私は何を見せられたの……。

セリフは藤井さんが考えているらしいのだが、あまりに恥ずかしすぎて素面では書けない。

いちごのように真っ赤に濡れた唇…赤ちゃんのピンクの頬…犬になりたい……うっ頭が!

いや、真風さんが言ってた紫の首輪を付けた犬は本当に意味が分からない。演出家にもなればトップスターに恥ずかしいセリフを言わせることができるのだ。


その後からだったか、圧倒的ソラカズキ(和希そら 宙組4番手くらい)タイムが始まる。


ソラカズキはエルハポンではペラペラの地味な衣装しか貰えていなかったが、レビューになるとこれがもう〜〜〜人間光線!

銀橋を渡るたびにウインク・指さし・狙い撃ち!!!怖!!!こんなん前列の9割の人間がソラカズキに落ちたでしょ……こわ……。

客席降りではこちらに来なかったが(ずんちゃんが来た。画面の向こうと同じ顔してた)、銀橋では目の前に来てくれる。前の席の人が撃ち落とされる度、胃がキリキリした。福利厚生ホワイトスターだよ……永久就職する人の気持ちが解ってしまったよね。 

姉は終わったあと「絶対ソラカズキにバチコーン☆ってウインクされた」と語っていた。


白い衣装で女装(?)したソラカズキもやばかった。それはもうやばかった。

というか宝塚できわどい女装流行ってるの??スカート部分が紐を沢山付けたやつになってる防御力0の衣装でも着こなしていたけど。スタイルが良いので何着ても似合うわ。踊ると紐が揺れるわ揺れるわ、魅惑???魅惑ってああいうことを言うの??

またひとつ自我に芽生えてしまった……。


目が合うといえば、銀橋で専科(ベテラン集団。各公演に時折派遣される)の英真さんが出る場面があって、私の目の前に全然名前の分からない下級生?学年すらも知らない方々が並んだんですね。で、みんなは英真さんを見てるんだけど、私は目の前の娘役の人とバッチリ目が合ってしまい。キョドって、逸らして、チラ見して、また目が合って、慌てて逸らして、みたいなことを数分間やっていましてね。

みなさま。あのね、すごく綺麗なお姉さんに真っ直ぐ見つめられるとバカみたいに照れます。私は思わず手で顔を隠した。

胃がギューーーっとなって、殺さないで…と心の中で念じた。


どうも、舞台の上から自分を見てる人って分かるらしいですね。

明らかに視線の運びが違うらしい。だからニコッとされたのか……好きになっちゃうでしょうが……。やめてや…。


そう思うと、キキちゃんがクールで良かった。こちらの方にはほとんど視線を向けなかった。そういうところが良い。好きだ。



胃の痛みと余りある最高を浴びるほど得たレビューは、体感3分で終了した。1時間半も絶対やってない。

楽しい時間はあっという間なんだな、と改めて思った。


藤井さんのお酒レビューシリーズ好きだから次はジンをモチーフにしてやってくれないかなあと思っている。好きなので。ビールとかでも面白そうだな。



レビューを見たあと、ウイスキー飲んでみようかな、と思ったがやめた。

渋い味はまだ早い。


あと死ぬほどキツい二日酔いになるので。



今年も良い年になりますように。